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新福祉経済学 しんふくしけいざいがく new welfare economics

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知恵蔵2015の解説

新福祉経済学

現在の標準的な経済理論によれば、個人の厚生の大小は、その個人が「財」を消費することから得られる満足度=効用のみに依存し、その個人が選択可能な財の組み合わせの集合=「予算集合」の大小、すなわち個人がどのような財の組み合わせを購入できるのかという「自由度」には全く依存しない。これに対して、アマルティア・センは、選択の「自由度」の観点から、新しい福祉経済学の再構築を目指している。センによれば、個人の厚生の大小は、「適切な栄養を得ているか」とか「社会生活に参加しているか」などといった、その個人が達成する「機能」に依存し、さらにその個人の達成可能な機能の組み合わせの集合=「潜在能力」の大小、すなわち個人がどのような生活を選択できるのか、という「自由度」に依存する。例えば、性差別が存在すれば、女性の選択の自由度=潜在能力は必然的に小さくならざるを得ず、これは必然的に女性の厚生に大きな影響を与えるはず、という考えである。

(荒川章義 九州大学助教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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