朝日日本歴史人物事典 「日導」の解説
日導
生年:享保9(1724)
江戸中期の日蓮宗の僧。近世日蓮宗の宗学者。一妙院と号す。彼の画期的な名著『祖書綱要』にちなみ「綱要導師」とも呼ばれる。肥後熊本の医師井上氏に出自,10歳のとき熊本本妙寺の塔頭東光院で出家。18歳のとき,京都鷹ケ峰檀林に修学するが貧困に苦しみ,その折,日禅に救われ,以後日禅に師事する。下総(千葉県)中村檀林に苦学精励しながら,寛延2(1749)年,天台学に傾いていた学風に対して日蓮宗学の宣揚を行うべく同志と「五人同盟」を結ぶ。この同盟をてこに,安永9(1780)年に起稿し,天明5(1785)年に脱稿したのが,宗学初の体系的組織書『祖書綱要』23巻。<参考文献>望月歓厚『日蓮宗学説史』
(佐々木馨)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報