改訂新版 世界大百科事典 「日蘭印会商」の意味・わかりやすい解説
日・蘭印会商 (にちらんいんかいしょう)
オランダ領東インド(蘭印)政府がとった対日輸入制限をめぐる通商交渉。1930年代に入って日本の蘭印に対する貿易量は急速に拡大し,とくに輸出額が急増,34年には蘭印の全輸入額の3割以上が日本によって占められるに至った。蘭印政府はこの片貿易(1934年の対日輸出額は全体の4%)を調整するため,対日輸入制限を開始した。この制限をめぐっての両政府間の交渉は,バタビア(現,ジャカルタ)で第1次(1934年6月)が行われ,一時中断ののち,37年に石沢=ハルト協定が結ばれた。次いで40年9月から翌年6月にかけて,小林一三,芳沢謙吉を代表に第2次会商が開かれたが,石油確保をめざす日本側の意図は果たされず,交渉は決裂した。
執筆者:土屋 健治
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