ある2国間の貿易取引において、貿易の均衡が崩れ、一方的な輸出超過あるいは輸入超過の状態になることをいう。こうした状態はとりわけ先進国と発展途上国間の貿易で発生しやすい。つまり発展途上国が特別な輸出産品をほとんどもたない状態で急激な開発計画を進めようとする場合に、極端な輸入超過に陥りやすい。こうした状況が長く続くと外国為替(かわせ)の支払い関係が一方に偏り、資金の豊かでない輸入超過国では正常な貿易決済をすることができなくなる。そこで貿易制限や縮小をせざるをえなくなり、ひいては輸入超過国の開発計画を挫折(ざせつ)させ、輸出超過国の製品を排斥するようなナショナリズムが発生する可能性も出てくる。そこで、輸出超過国はできるだけ相手国からの輸入を拡大し、相手国の赤字幅を狭めるよう努める一方、開発計画に対する援助を進めたり、必要に応じて直接投資をするなど、貿易における摩擦要因を取り除く努力をする必要がある。
[秋山憲治]
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