片貿易(読み)カタボウエキ(英語表記)one-side trade

デジタル大辞泉 「片貿易」の意味・読み・例文・類語

かた‐ぼうえき【片貿易】

2国間の貿易均衡を失い、一方輸出超過または輸入超過にかたよる状態

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「片貿易」の意味・読み・例文・類語

かた‐ぼうえき【片貿易】

  1. 〘 名詞 〙 外国との商業取引で、輸入、または輸出のどちらか一方にかたよった貿易。〔大増補改訂や、此は便利だ(1936)〕
    1. [初出の実例]「現在のような片貿易では、外国から原料はおろか、最低限必要な食糧すら満足に輸入出来ない」(出典:経済実相報告書(1947)二)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「片貿易」の意味・わかりやすい解説

片貿易
かたぼうえき
one-side trade

ある2国間の貿易取引において、貿易の均衡が崩れ、一方的な輸出超過あるいは輸入超過の状態になることをいう。こうした状態はとりわけ先進国と発展途上国間の貿易で発生しやすい。つまり発展途上国が特別な輸出産品をほとんどもたない状態で急激な開発計画を進めようとする場合に、極端な輸入超過に陥りやすい。こうした状況が長く続くと外国為替(かわせ)の支払い関係が一方に偏り、資金の豊かでない輸入超過国では正常な貿易決済をすることができなくなる。そこで貿易制限や縮小をせざるをえなくなり、ひいては輸入超過国の開発計画を挫折(ざせつ)させ、輸出超過国の製品を排斥するようなナショナリズムが発生する可能性も出てくる。そこで、輸出超過国はできるだけ相手国からの輸入を拡大し、相手国の赤字幅を狭めるよう努める一方、開発計画に対する援助を進めたり、必要に応じて直接投資をするなど、貿易における摩擦要因を取り除く努力をする必要がある。

[秋山憲治]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「片貿易」の意味・わかりやすい解説

片貿易
かたぼうえき
one way trade

特定の貿易相手国に対して,輸出がその国からの輸入を恒常的に大幅に上回っている,あるいは輸入が輸出を大幅に上回っている場合をいう。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android