映・栄(読み)はえる

精選版 日本国語大辞典 「映・栄」の意味・読み・例文・類語

は・える【映・栄】

〘自ア下一(ヤ下一)〙 は・ゆ 〘自ヤ下二〙
① 光に照らされて輝く。映り輝く。反映する。
落窪(10C後)一「いとよくほほゑみたるまみ口つきの、火のあかきにはえてにほひたる物から」
② さかえる。いっそうさかんになる。
※後撰(951‐953頃)恋二・六〇八「あやしくもいとふにはゆる心かないかにしてかは思ひやむべき〈よみ人しらず〉」
鼠坂(1912)〈森鴎外〉「どうした事か、話が栄(ハ)えない」
③ 光があって見事なさまにある。見た目によくうつる。美しく見える。引き立って見える。
名語記(1275)九「紅は、ゆふべに、色のはゆる也」

はえ【映・栄】

〘名〙 (動詞「はえる(映)」の連用形名詞化)
① 見た目によいこと。ぱっとして引き立つこと。はなやかさ。つや。光彩
源氏(1001‐14頃)薄雲「御袴着のほども、いみじき心をつくすとも、かかる深山隠れにては、なにのはへかあらむ」
※落窪(10C後)二「北の方はえありてうれしと思ふ」

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