化学辞典 第2版 「時間因子」の解説
時間因子
ジカンインシ
time factor
タイムファクターともいう.流通系の反応装置内における転化率は,反応層体積 Vr と原料の体積供給速度 F0 の比 Vr/F0 の関数として表される.多くの場合,目的とする転化率を与えるのに必要な Vr/F0 の値が滞留時間のかわりに用いられている.これを時間因子という.この値が大きいほど,一定の処理量 F0 に対する反応装置の所要容積 Vr が大きくなる.時間因子は時間の単位をもっていて,とくに押出流れ操作では回分操作の反応時間に対応している変数であるが,温度,圧力あるいは物質量が変化する反応系においては系の体積が変化してしまうため,時間因子は反応装置内での正しい滞留時間ではなくなっている.[別用語参照]空間速度
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報