曾小川村(読み)そおがわむら

日本歴史地名大系 「曾小川村」の解説

曾小川村
そおがわむら

中世小河おがわ院に属した村。寛文四年(一六六四)の郡村高辻帳では「そのこがわ」の訓がある。曾小河とも書き、曾小河院(延文元年八月六日「足利義詮下文」島津家文書)、惣小河名(天文一七年一二月吉日「伊集院忠朗外五名連署坪付」町田氏正統系譜)などともみえる。近世中期以降は手籠てご川下流域の新町しんまち村・向花むけ村・府中ふちゆう村の三ヵ村の総称となったと考えられる。しかし「三国名勝図会」には「曾小川は、今一村の名とす。むかしは、国分の総名なりしといふ」とみえることや、現在の福島ふくしまの小字曾小川そこがわが遺称地とみられること、また「曾小河内敷根上檀行平田代」(文安三年一〇月二〇日「神重兼寄進状」旧記雑録)、「隅州曾小河村楞厳寺(明応一〇年六月七日「酒井宗房寄進状」同書)などと史料に散見し、現在の国分市東部の上之段うえのだん(上檀)や同北部の楞厳りようごん寺が所在した清水きよみずなども含む場合もあり、これらの地も合せた地域の呼称であったと考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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