最密充てん構造(読み)さいみつじゅうてんこうぞう

百科事典マイペディア 「最密充てん構造」の意味・わかりやすい解説

最密充てん構造【さいみつじゅうてんこうぞう】

最密構造とも。同じ大きさの球を最も密につめた構造,およびそれらの球の中心を格子点とする結晶構造。平面上での最密充てんはおのおのの球が隣接する6個の球で囲まれた形になる。これと同じ層を上に緊密に重ねる場合のやり方は1通りしかなく,第1層の三つの球のつくるくぼみに第2層の球の一つがはまりこむ形になる。第3層を緊密に重ねる場合には2通りのやり方が生じる。すなわち,各球の中心が第1層の球の中心真上位置か,第1層の三つの球のつくるくぼみの真上の位置か,どちらかにくることになる。後者の場合は第4層の球が初めて第1層の球の真上の位置を占める。前者を六方最密充てん構造,後者を立方最密充てん構造という。金属結晶における原子配列は最密充てん構造をとるものが多い。

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