ベートーベンが1801年に作曲したピアノ・ソナタ第14番嬰(えい)ハ短調(作品27の2)の通称。「月光」という題名は作曲者がつけたものではなく、この作品が出版されたのちに、詩人レルシュタープLudwig Rellstab(1799―1860)が第1楽章を「スイスのルツェルン湖の月光の波に揺らぐ小舟のよう」と形容したことに由来している。ベートーベン自身は「幻想曲のように」と指示を与えているだけであるが、楽想自体に想像力を刺激するところがあるらしい。盲目の少女のために月の光のなかで作曲した、というような逸話が多く残されている。しかし、この3楽章のソナタにとって重要なのは、むしろベートーベンが堅固なソナタ形式と自由な幻想曲のスタイルを融合させようと試みたところにある。
[三宅幸夫]
「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...
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