月草の・鴨頭草の(読み)つきくさの

精選版 日本国語大辞典 「月草の・鴨頭草の」の意味・読み・例文・類語

つきくさ‐の【月草の・鴨頭草の】

月草染料として染めた色は、さめやすく他に移りやすいところから、「移ろう」「移る」にかかる。
万葉(8C後)四・五八三「月草之(つきくさの)うつろひやすく思へかも我が思ふ人の言(こと)も告げ来ぬ」
② (①から転じて) 「うつし心」にかかる。
古今(905‐914)恋四・七一一「いで人は言のみぞよき月草のうつし心は色ことにして〈よみ人しらず〉」
③ 月草の花がしぼみやすく、はかないところから「消ゆ」「かり(仮)」にかかる。
※万葉(8C後)一〇・二二九一「朝咲き夕は消ぬる鴨頭草乃(つきくさノ)消ぬべき恋も吾れはするかも」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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