有付(読み)ありつき

精選版 日本国語大辞典 「有付」の意味・読み・例文・類語

あり‐つき【有付】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 目的地に到着すること。また、特定の場所、地位などにおさまること。特に、仕官奉公、また、結婚などによって、その身の安定を得ること。
    1. [初出の実例]「屋敷を相渡し、有付の用意を沙汰し置」(出典:太閤記(1625)四)
  3. ありつく所。落ち着く所。特に、仕官、奉公先。また、嫁ぎ先。
    1. [初出の実例]「敵うつまて同し編笠 有付は野に臥山に鳥懼(おど)し」(出典:俳諧・西鶴大矢数(1681)第五)
    2. 「それより武士奉公のあり付きなく、此国の土民となっては候へども」(出典:浄瑠璃・苅萱桑門筑紫𨏍(1735)四)
  4. ありつくもの。生活のかて。生計を得る道。
    1. [初出の実例]「しった米糠あきなひとやらん、又、ありつきをかせぐうちに」(出典:浮世草子・忠義太平記大全(1717)四)

ありつかわありつかはし【有付】

  1. 〘 形容詞シク活用 〙 ( 動詞「ありつく」の形容詞化 ) 似つかわしい。よい感じである。
    1. [初出の実例]「髪はうちぎのすそにすこし足らぬほどにて、ありつかはしきさままさりて見ゆ」(出典:尾州家本住吉物語(1221頃か))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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