有機エレクトロニクス(読み)ゆうきえれくとろにくす(その他表記)organic electronics

知恵蔵 「有機エレクトロニクス」の解説

有機エレクトロニクス

有機半導体をベースとしたエレクトロニクス。特に有機トランジスタや有機ELが代表的。低分子や高分子などの有機物を、薄くて軽いプラスチック基板の上に蒸着または塗布して作製する。有機物はファンデルワールス力で結合しているため、無機結晶などの原子結合の物質と比べ柔軟性に富む。有機エレクトロニクス技術を使うことにより、軽く、薄く、曲げられるトランジスタ回路や発光デバイスを実現できる。このため、しばしばフレキシブル・エレクトロニクス、プラスチック・エレクトロニクスとも呼ばれる。また、印刷技術を用いて塗布することができるので低価格化、大面積化が可能で、例えば照明機能をはたす壁紙やセンサー機能を有する人工皮膚などにも応用できる。

(荒川泰彦 東京大学教授 / 桜井貴康 東京大学教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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