服部範忠(読み)はっとり・のりただ

朝日日本歴史人物事典 「服部範忠」の解説

服部範忠

生年生没年不詳
江戸中期の医者,本草学者。号は玄黄,玄広。活斎と称す。江戸の町医で,松岡恕庵や阿部将翁らと同時期の享保年間(1716~36)に活躍した。医学と本草を 橘商山 に学んだらしい。『霊枢考述』『万痾名数』などの医書も残したが,本領は本草学にある。『薬圃図纂』(1726)で植物形態をわが国で初めて専門的に図解し,『人参譜』(1727)では当時盛んに試作された朝鮮人参真偽を区別する図を描いている。また中国から渡来して当時の本草学の典拠となっていた『本草綱目』を和解し,元文2(1737)年『本草和談』を著す。この書からは文献を読む際に範忠がいかに正確を期していたかがわかる。<参考文献>上野益三解説『薬圃図纂』

(木村陽二郎)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「服部範忠」の解説

服部範忠 はっとり-のりただ

?-? 江戸時代中期の本草家。
江戸の町医。享保(きょうほう)12年(1727)植物の形態を図入りで解説した「薬圃図纂(やくほずさん)」と彩色図入りの「人参譜(にんじんふ)」を,元文2年「本草綱目」を解説した「本草和談」を,3年約200種の蔬菜(そさい)や魚の彩色図入りの「菜魚図讃」をあらわした。通称は活斎。号は玄黄,玄広。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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