木口 九峰(読み)キグチ キュウホウ

20世紀日本人名事典 「木口 九峰」の解説

木口 九峰
キグチ キュウホウ

昭和期の彫刻家 烏城彫の創始者。



生年
明治28(1895)年9月1日

没年
昭和44(1969)年11月26日

出生地
岡山県下道郡久代村(現・総社市)

本名
木口 房四郎

学歴〔年〕
久代尋常高等小学校卒

主な受賞名〔年〕
労働大臣表彰〔昭和32年〕,岡山県知事表彰〔昭和44年〕,中国新聞文化賞〔昭和42年〕,厚生大臣表彰〔昭和44年〕

経歴
岡山でピアノの調律師を務める。他方、趣味で木彫をはじめるが、のちには技術も進み、彫り上がったものを透漆で仕上げる烏城彫を創始。以来、彫刻に専念し、同好の人々とともに烏城彫久交会を結成するなどして烏城彫の普及に努め、これを岡山の特産品に育て上げた。日中戦争勃発後は戦傷者の救済授産をはかり、岡山国立病院内に烏城彫授産場を開設。戦後は福祉事業をさらに広げ、昭和28年財団法人烏城彫協会を設立して障害者への技術指導を行った。2度に渡って昭和天皇に木彫品を献上するなど技術も高く評価されたほか、32年労働大臣表彰、42年中国新聞文化賞など受賞多数。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報