透漆(読み)スキウルシ

デジタル大辞泉 「透漆」の意味・読み・例文・類語

すき‐うるし【透(き)漆】

上質の生漆きうるしから水分を取り除き、透明度を高めたもの。

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精選版 日本国語大辞典 「透漆」の意味・読み・例文・類語

すき‐うるし【透漆】

  1. 〘 名詞 〙 透明度の高い漆。梨子地漆木地蝋漆に用いられ、油を混合して春慶漆・朱合(しゅあい)漆・透塗立(すきぬりたて)漆にも用いられる。最盛期八月に採取した盛物(さかりもの)生漆を用い、水分を除いて透明度をよくする。
    1. [初出の実例]「干菓子は透き漆のさわらの輪花盆に青と白の吹き寄せだった」(出典:青井戸(1972)〈秦恒平〉)

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世界大百科事典(旧版)内の透漆の言及

【漆工芸】より

…精製漆は,生漆を攪拌して漆を均一にする〈なやし〉,太陽熱などを利用して漆の水分をとり粘稠(ねんちゆう)性をもたせる〈くろめ〉という工程を加えたものである。こうしてつくられたものを透漆(すきうるし)というが,これに鉄分を加えると黒漆になる。黒漆は無油の呂色漆(ろいろうるし),有油の塗立漆(ぬりたてうるし)がおもなもので,透漆は無油の木地呂漆と有油の朱合漆が主である。…

※「透漆」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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