末武保(読み)すえたけほ

日本歴史地名大系 「末武保」の解説

末武保
すえたけほ

末武および生野屋いくのや付近を領域とした国衙領

「吾妻鏡」文治三年(一一八七)四月二三日条に周防国在庁官人らの言上二箇条の一として「為得善・末武地頭筑前太郎家重令行都乃一郡開官庫取所納米狩猟為宗駈寄公民、任自由、押妨勧農事」とある。これは筑前太郎家重という地頭らの都濃つの郡内の得善とくぜん(現徳山市)、末武両保への押領に対し、周防在庁官人が連署してその停止を訴えたものである。この得善・末武両保には東大寺が所管する国衙領と、石清水いわしみず八幡宮別当の所管する周防遠石といし八幡宮(現徳山市)荘園とがあったが、建久元年(一一九〇)春以来、御家人の内藤盛家に押領され、石清水の別当が訴えている(建久二年二月一〇日「八幡宮寺別当下知状」石清水文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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