本田善光(読み)ほんだ・よしみつ

朝日日本歴史人物事典 「本田善光」の解説

本田善光

伝説上の人物。欽明13(552)年,百済の聖明王から献上された天竺の月蓋長者の造ったという阿弥陀如来像が,悪疫流行のために,物部氏によって難波堀江に流し捨てられたが,都にのぼっていた善光がそこを通ると,阿弥陀仏が水の中から飛び出して,背中におぶさった。信濃国(長野県)まで背負って家に安置したのち,阿弥陀の霊告によって,水内郡芋井郷(長野市)に移し,のちに如来堂を建立して祭ったと伝えられる。それが長野市善光寺古来より秘仏とされる本尊である。舟形光背の阿弥陀三尊像で,ひとつの光背の中に三尊が納まるところから,一光三尊如来といわれる。<参考文献>『善光寺縁起』

(川村邦光)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「本田善光」の解説

本田善光 ほんだ-よしみつ

伝承上の人物。
「善光寺縁起」によれば,欽明天皇13年(552)百済(くだら)(朝鮮)の聖明(せいめい)王からおくられた阿弥陀如来(あみだにょらい)像が,物部氏によって難波(大阪府)の堀江にすてられていたのを,善光が信濃(しなの)(長野県)まではこび,堂宇をたてて安置したという。これが現在の善光寺で,仏像が秘仏とされる本尊一光三尊如来であるとされる。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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