最新 地学事典 「本部帯」の解説
もとぶたい
本部帯
Motobu Belt
沖縄本島北部で北西に突出する本部半島に発達する白亜紀前期付加体。湧川層・本部層・与那嶺層が分布する。主に巨大な石灰岩塊(ペルム紀?)や,三畳~ジュラ紀チャート,緑色岩などのオリストリスが混在するメランジュからなる。泥質基質には白亜紀前期放散虫化石が産出。南東側では仏像構造線に対比される低角衝上断層で名護層と接するとされ,同断層は沖縄本島の北西海岸沿いのネグマチジ岳,半地(はんじ),辺戸(へど)岬などに分布する石灰岩塊の下位に求められている。北西側は三畳紀後期の背弧堆積物からなる今帰仁(なきじん)帯と断層で接すると推定。今帰仁帯は激しい変形を受けておらず,本部半島の沖合を北東~南西に走る白亜紀最初期付加体の伊平屋(いへや)帯と本部帯との間に取り込まれた大規模なオリストリスとも考えられる。秩父累帯の三宝山帯に相当し,奄美大島の基盤との対比も考慮されたが,同島の詳細な最近の調査結果(竹内誠,1993)によると,沖縄のように名護・本部・今帰仁・伊平屋各帯による整然とした累帯構造が認められず,対比は困難。
執筆者:氏家 宏
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

