朝日日本歴史人物事典 「杉山三右衛門」の解説
杉山三右衛門
江戸前期,下総国東部(千葉県)の湖水椿海干拓を最初に考えた人物。これまで江戸町人とされていたが,実は徳川氏の旗本で書院番番士,元和1(1615)年の大坂陣に参戦したが敵前逃亡したため士分を剥奪,追放され,椿海湖岸の正賢寺に隠栖,湖上で釣をしていて干拓を思いついたといわれ,幕府に出願したが許可されなかった。この干拓は,のちに白井次郎右衛門,辻内刑部左衛門らによって再願,開始された。<参考文献>川名登「真説椿新田開発記」(『海上町史研究』12号)
(川名登)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報