匝瑳(読み)ソウサ

デジタル大辞泉 「匝瑳」の意味・読み・例文・類語

そうさ〔サフサ〕【匝瑳】

千葉県北東部にある市。稲・野菜栽培や植木の生産が盛ん。平成18年(2006)1月八日市場市野栄町が合併して成立。人口4.0万(2010)。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「匝瑳」の意味・わかりやすい解説

匝瑳(市)
そうさ

千葉県北東部にある市。2006年(平成18)、八日市場市(ようかいちばし)、匝瑳郡野栄町(のさかまち)が合併して成立。市名は匝瑳郡の郡名による。北東は旭(あさひ)市、北は香取(かとり)市、北西は香取郡多古(たこ)町、南西は山武(さんぶ)郡横芝光(よこしばひかり)町に接し、南東は太平洋に臨む。市域は南東部の九十九里浜の海岸砂浜とそれに続く九十九里平野下総台地からなる。中央部をJR総武(そうぶ)本線と国道126号が走り、126号からは船橋(ふなばし)市に向かう296号が分岐する。縄文時代の貝塚が多くみられ、丸木舟が出土した遺跡も多い。台地上では5~7世紀に古墳が築造された。中世にかけて、市域は匝瑳南条荘、同北条荘、千田(ちだ)荘などに属し、房総平氏の上総氏系の匝瑳氏、下総国司を歴任した為光流藤原氏が勢力を伸ばしていた。鎌倉時代以降には千葉氏と一族の椎名(しいな)氏、鏑木(かぶらき)氏、押田(おしだ)氏、飯高(いいだか)氏などが蟠踞。八日市場は交通の要衝で、16世紀後半には定期市が開設され、市場町として発展。江戸時代は幕府領、旗本知行の村が多かった。市の北東部は湾入していた椿(つばき)海を干拓して開いた「干潟八万石(ひかたはちまんごく)」とよばれる地域の一角をなす。1951年(昭和26)に竣工した大利根用水(おおとねようすい)によって、九十九里平野の水田農業は安定した。現在は米作を中心にゴボウ、ネギなどの野菜生産のほか、マキなどの植木栽培、養豚も盛ん。成田国際空港に近く、八日市場には工業団地や住宅地が造成されている。県立九十九里自然公園に指定される海岸には、海水浴場、民宿などが整備され、海水浴客のほか釣り客も多い。日蓮宗飯高寺(はんこうじ)は、江戸時代には日蓮宗の関東八檀林(学問所)の一つに数えられ、飯高(いいだか)檀林ともよばれた。同寺の講堂、鐘楼、鼓楼、総門、および長徳(ちょうとく)寺の絹本著色普賢延命(ふげんえんめい)像、同愛染明王(あいぜんみょうおう)像はいずれも国指定重要文化財。木積(きづみ)の藤箕製作技術は国指定重要無形民俗文化財。面積101.52平方キロメートル、人口3万5040(2020)。

[編集部]


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改訂新版 世界大百科事典 「匝瑳」の意味・わかりやすい解説

匝瑳[市] (そうさ)

千葉県北東部の市。2006年1月八日市場(ようかいちば)市と野栄(のさか)町が合体して成立した。人口3万9814(2010)。

匝瑳市南部の旧町。旧匝瑳郡所属。人口1万0019(2005)。九十九里浜北部に位置する。内陸の岡集落,海岸の納屋集落,その中間の新田集落からなり,それぞれ砂丘上にある。かつては半農半漁であったが,沿岸漁業が衰退してからは農業が中心となった。畜産や花木,観葉植物の生産が行われる。県の農業試験場海岸砂地試験地(現,千葉県農林総合研究センター北総園芸研究所砂地野菜研究室)実験室が置かれ,トマト,キュウリの施設園芸も行われている。野手浜海岸には海水浴場が開かれ,近年は観光地引網が人気を呼んでいる。
執筆者:

匝瑳市中北部の旧市。九十九里平野北部に位置する。1954年市制。人口3万2067(2005)。中心の八日市場は,銚子街道に沿った帯状の市街地をなし,地名は中世末期から8の日に定期市が開かれたことに由来する。明治期には郡役所や県の出先機関が置かれた。近世末から明治末までは,問屋制家内工業による八日市場木綿の産地で,おもに東北地方に移出したが,大正期に養蚕業が盛んになり,九十九里平野の砂丘地は桑園となった。第2次大戦後はサツマイモの産地となり,デンプン工場が乱立した。現在は植木と野菜の栽培が盛んである。市域の北部は〈干潟八万石〉という大干拓地で,かつては干害に悩まされてきたが,県営大利根用水の完成によって安定した。また砂丘の間の深い泥田はれんこんの産地である。日蓮宗の学僧が集まった飯高檀林は徳川家康が1591年(天正19)に寺領30石を寄進したのに始まる。JR総武本線が通る。
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百科事典マイペディア 「匝瑳」の意味・わかりやすい解説

匝瑳[市]【そうさ】

千葉県東部に位置し,南部を太平洋に面する。2006年1月,八日市場市,匝瑳郡野栄町が合併し市制。JR総武本線,国道126号線,296号線が通じる。東日本大震災で,市内において被害が発生。101.52km2。3万9814人(2010)。

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