李昂(読み)りこう

百科事典マイペディア 「李昂」の意味・わかりやすい解説

李昂【りこう】

現代台湾の女性作家。本名は施淑端。古都鹿港の生れ。両親とも台湾本省人(戦前までの入台漢人)。姉に施叔女,施叔青の二人の評論家,作家がおり〈施家三姉妹〉として知られる。高校1年の時に短編〈花の季節〉が新聞の文芸欄に採用され作家としてデビュー。1975年アメリカ・オレゴン州立大学演劇コースの大学院に留学,1978年台湾に帰国したのち旺盛な創作活動を再開して現在にいたる。《夫殺し》(1983年)など地方的色彩の強い作品群と,恋愛・家の変質を通じて現代台北の風俗を描く《暗夜》(1985年)などの作品群とに大別できる。近作《迷いの園》(1991年)は,台湾の旧家に生まれた現代女性を主人公として,近百年の台湾を描いた長編で,大胆な性描写でも話題を呼んだ。

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