日本大百科全書(ニッポニカ) 「李源潮」の意味・わかりやすい解説
李源潮
りげんちょう / リーユエンチャオ
(1950― )
中国の政治家。江蘇(こうそ)省出身。上海(シャンハイ)師範大学、復旦(ふくたん)大学卒。中央党学校で法学博士号を取得。父親は元上海市副市長の李幹成。太子党のメンバーであると同時に、中国共産主義青年団(共青団)出身でもあり胡錦濤(こきんとう)の側近として知られる。朝鮮戦争の年に生まれたため、朝鮮を援助する意味で「援朝」と同じ発音の名前がつけられたという。文化大革命中に農場労働を約4年間経験した。1972年に上海師範大学数学部に入学し、卒業後は中学の教師となったが、1978年に復旦大学に再入学。共青団活動に熱心に参加し、1983年に上海市共青団書記に選出された。同1983年12月から共青団中央書記処書記に任命され、当時の第一書記の胡錦濤の下で働いた。1996年文化省次官。2002年から江蘇省党委員会書記に就任。2007年から政治局委員、党中央組織部長に就任した。改革派として知られる。江蘇省時代は南京(ナンキン)市党委員会書記を兼務した時期があり、歴史認識問題で日本に対し厳しい態度をとっている。2012年秋の党人事で最高指導部入りすると目されたが、保守派の長老らの反対で実現しなかった。2013年春に国家副主席に就任した。
[矢板明夫]