材木座海岸(読み)ざいもくざかいがん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「材木座海岸」の意味・わかりやすい解説

材木座海岸
ざいもくざかいがん

神奈川県鎌倉市(かまくらし)南東部、逗子(ずし)市境の飯島(いいじま)崎から北へたどり滑(なめり)川河口あたりまでの海岸をいう。飯島崎付近は岩石海岸であるが、以北は砂浜海岸となり由比ヶ浜(ゆいがはま)へ続く。この海岸は古くは和賀江(わかえ)また和賀江嶋(じま)(国指定史跡)とよばれていて舟着き場であった。鎌倉時代にはここの沖合いにはつねに数百隻の船が停泊していたといわれる。ことに鎌倉の市街地整備や社寺の建築が盛んになると建築用材の揚陸をはじめ商港としてにぎわい、材木商の座も設けられたことが地名起源。近くの光明寺(こうみょうじ)(浄土宗大本山)は北条経時(つねとき)(泰時(やすとき)の子)の建立で、『紙本著色当麻曼荼羅(たいままんだら)縁起』(2巻)は国宝。絵画類などの国指定重要文化財多数。鎌倉駅からバス10分。夏は海水浴場としてにぎわう。

[浅香幸雄]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android