日本大百科全書(ニッポニカ) 「材木座海岸」の意味・わかりやすい解説
材木座海岸
ざいもくざかいがん
神奈川県鎌倉市(かまくらし)南東部、逗子(ずし)市境の飯島(いいじま)崎から北へたどり滑(なめり)川河口あたりまでの海岸をいう。飯島崎付近は岩石海岸であるが、以北は砂浜海岸となり由比ヶ浜(ゆいがはま)へ続く。この海岸は古くは和賀江(わかえ)また和賀江嶋(じま)(国指定史跡)とよばれていて舟着き場であった。鎌倉時代にはここの沖合いにはつねに数百隻の船が停泊していたといわれる。ことに鎌倉の市街地整備や社寺の建築が盛んになると建築用材の揚陸をはじめ商港としてにぎわい、材木商の座も設けられたことが地名の起源。近くの光明寺(こうみょうじ)(浄土宗大本山)は北条経時(つねとき)(泰時(やすとき)の子)の建立で、『紙本著色当麻曼荼羅(たいままんだら)縁起』(2巻)は国宝。絵画類などの国指定重要文化財多数。鎌倉駅からバス10分。夏は海水浴場としてにぎわう。
[浅香幸雄]