日本大百科全書(ニッポニカ) 「東芝技術流出事件」の意味・わかりやすい解説
東芝技術流出事件
とうしばぎじゅつりゅうしゅつじけん
東芝の半導体部門が管理するフラッシュメモリーの最新研究データが業務提携先の社員によって不正に持ち出された事件。2014年(平成26)3月に不正競争防止法違反(営業秘密開示)の疑いで、容疑者が警視庁に逮捕される刑事事件となった。容疑者は、2003~2008年の間、東芝の業務提携先であるアメリカのサンディスク社日本法人社員として東芝四日市工場に勤務していた。その際、東芝が厳重に管理するデータにアクセス可能な立場にあったことを悪用し、最新の研究データを不正にコピーし、その後転職した韓国の半導体メーカー、SKハイニックス社に盗み出したデータを提供していたことが発覚した。東芝は容疑者が逮捕された同じ日に、SKハイニックス社を相手取り損害賠償を求める訴えを東京地方裁判所に起こした。2014年12月、和解が成立。
[編集部]