枕く(読み)マク

デジタル大辞泉 「枕く」の意味・読み・例文・類語

ま・く【枕く/婚く/×纏く】

[動カ四]
枕にする。枕にして寝る。
「かくばかり恋ひつつあらずは高山岩根いはねし―・きて死なましものを」〈・八六〉
《「まぐ」とも》女性と共寝する。抱いて寝る。また、妻とする。
秋萩の妻を―・かむと」〈・一七六一〉

まくら・く【枕く】

[動カ四]《「まくら」の動詞化》枕とする。
大伴高師の浜の松が根を―・きれど家ししのはゆ」〈・六六〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「枕く」の意味・読み・例文・類語

ま・く【枕・婚・娶・纏】

  1. 〘 他動詞 カ行四段活用 〙 ( 「巻く」と同語源 )
  2. 枕にする。枕にして寝る。まくらく。
    1. [初出の実例]「うち日さす宮のわが背は大和女(やまとめ)の膝麻久(マク)ごとに吾(あ)を忘らすな」(出典万葉集(8C後)一四・三四五七)
  3. ( のちに「まぐ」とも ) 共寝して女性を抱く。交接する。また、めとる。妻にする。
    1. [初出の実例]「大和の 高佐士野を 七行く をとめども 誰(たれ)をし摩加(マカ)む」(出典:古事記(712)中・歌謡)

まくら・く【枕】

  1. 〘 他動詞 カ行四段活用 〙 枕とする。
    1. [初出の実例]「いかにあらむ日の時にかも声知らむ人の膝の上(へ)わが麻久良可(マクラカ)む」(出典:万葉集(8C後)五・八一〇)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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