柿本(読み)かきのもと

精選版 日本国語大辞典 「柿本」の意味・読み・例文・類語

かき‐の‐もと【柿本】

〘名〙
① 正統な和歌をよむ一派のこと。歌聖と仰がれていた柿本人麻呂に続く一派という意識から名づけられ、これに対し狂歌をよむ一派を「栗の本」という。有心(うしん)
※春のみやまぢ(1280)一月一日「又玄覚律師などくははりて、柿本もひかりそひぬ」
井蛙抄(1362‐64頃)六「後鳥羽院御時、柿本、栗本とて置かる」
② 純正優雅な連歌のこと。有心の連歌。これに対し卑俗滑稽な連歌を「栗の本」という。
※後鳥羽院宸記‐建保三年(1215)五月一五日「有下・栗下連歌興。以銭為懸物。尋常句時百文、秀句時二百文取之」

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