核兵器国(読み)カクヘイキコク(その他表記)nuclear-weapon state

デジタル大辞泉 「核兵器国」の意味・読み・例文・類語

かくへいき‐こく【核兵器国】

核兵器を保有している国。特に、核不拡散条約NPT)で定義された米国ロシア英国フランス中国の5か国をいう。→非核兵器国
[補説]核不拡散条約(NPT)は、「1967年1月1日以前に核兵器その他の核爆発装置を製造しかつ爆発させた国」を核兵器国とし、米国・ロシア・英国・フランス・中国がこれにあたる。NPT非締約国ではインドパキスタンイスラエルが核兵器を保有し、北朝鮮が保有を宣言している。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「核兵器国」の意味・わかりやすい解説

核兵器国
かくへいきこく
nuclear-weapon state

核兵器を保有する国。核兵器不拡散条約 NPTは,「この条約の適用上,核兵器国とは,1967年1月1日前に核兵器その他の核爆発装置を製造しかつ爆発させた国をいう」 (第9条3項) と定義している。これに従えば,核兵器国はアメリカ合衆国ソビエト連邦,イギリス,フランス,中国のいわゆる「核クラブ」5ヵ国にかぎられる。しかし 1974年,インドは平和目的を理由に核爆発実験を行ない,1998年には再び実施したインドに続いて隣国パキスタンも核実験を行なった。一方,1991年に保有していた核兵器を放棄したうえで南アフリカ共和国が非核兵器国となった。 1990年代には朝鮮民主主義人民共和国イラクなどの核武装が危惧された。またソ連崩壊により,ロシアのほかウクライナ,カザフスタン,ベラルーシ各国も一時的に核兵器を所有した。

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