日本大百科全書(ニッポニカ) 「格付売買」の意味・わかりやすい解説
格付売買
かくづけばいばい
商品取引所における取引用語で、標準(物)売買ともいう。格付け(グレーディングgrading)とは、品質の優劣によって商品を1等、2等などに等級付けることをいう。このような格付けされた商品について、標準銘柄品または標準物により価格を建て、その標準品を中心に格付けに応じた価格の格差を設け、実際の受渡しでは同じ種類の他の商品(受渡し供用品)を渡してもよく、約定品と供用品の差を代金で加減して清算するのが格付売買である。標準品より価格を高くすることを格上げ、その反対を格下げ、また格付け等級外にあって供用品にならないものを格外という。
主要商品には標準的な品位決定条件が定められており、それに基づいて生産国ないし生産地の公認検査機関により格付けがなされる。小麦、綿花、砂糖などはその典型である。第二次世界大戦前のわが国では、米がもっとも重要な格付け商品であったが、統制(食糧管理)によって性格を変えられた。
[森本三男]