格子間原子(読み)コウシカンゲンシ(その他表記)interstitial atom

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「格子間原子」の意味・わかりやすい解説

格子間原子
こうしかんげんし
interstitial atom

結晶において,原子が正規の格子点を離れ,格子点の間に位置したもの。格子欠陥の1種。格子点にある原子が格子間原子になると空格子点が生じる。空格子点と格子間原子の1対をフレンケル欠陥と呼ぶ。電気伝導などの物理的性質に寄与する。格子間原子は熱的ゆらぎによって生じるが,放射線照射などによってもつくられる。

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化学辞典 第2版 「格子間原子」の解説

格子間原子
コウシカンゲンシ
interstitial atom

結晶において,正規の格子点を占有しないで,正規の格子点の間に割り込んだ原子.点欠陥の一つである.フレンケル欠陥をもつ結晶においてみられる.この場合は,格子間原子とこの原子が格子間原子に移行するために生成する空孔との二つの点欠陥が生成する.[別用語参照]格子欠陥

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の格子間原子の言及

【格子欠陥】より

…格子欠陥には点状,線状,面状のものがある。点状の欠陥としては,本来の原子の種類と異なる不純物原子の存在,正規の格子点から原子が抜けてしまっている空格子点,正規の格子点でない位置に原子が入り込んだ格子間原子があり,線状の欠陥としては塑性変形に関与する転位がある。また,面状の格子欠陥としては,多結晶の粒界,結晶面の積重なり方の欠陥などがある。…

※「格子間原子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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