桃李もの言わざれども、下自ずから蹊を成す(読み)とうりものいわざれども、したおのずからみちをなす

故事成語を知る辞典 の解説

桃李もの言わざれども、下自ずから蹊を成す

徳のある人のまわりには、何も言わなくても、その徳を慕って人が集まってくる、ということのたとえ。

[使用例] 求めよ、求めよ、切に求めよ、口に叫んで、求めよ。沈黙は金という言葉あり、桃李言わざれども、の言葉もあった[太宰治*HUMAN LOST|1937]

[由来] 中国で古くから使われていることわざ。特に、「史記将軍伝・賛」で、口べただったこうという将軍が亡くなったとき、国中の人たちが悲しんだことを記したあとに、「桃李ものいわざれども、下自ずから蹊を成す(桃やスモモは、何も言わなくても、花や実に引かれて人が集まり、自然に木の下に道ができる)」と引用しているのが、有名です。

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ことわざを知る辞典 の解説

桃李もの言わざれども下自ずから蹊を成す

桃やスモモは、何も言わなくても、花や実にひかれた人が集まってきて、自然に木の下に道ができる。徳のある人のもとには、黙っていても、その徳を慕う人が集まるというたとえ。

[使用例] へえん、桃李ものいわざれど、そのもと自ずからみちを成す。この娘も今に先方からお酌と押し懸けて、離れがたなくして見せん[尾崎紅葉*心の闇|1893]

[解説] 「史記―李将軍伝・賛」の「諺に曰く、桃李もの言わざれども、下自ずから蹊を成す」が出典とされます。しかし、「諺に曰く」とあるように、この句は、それ以前から人口に膾炙していたものと考えられます。

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