デジタル大辞泉 「沈黙」の意味・読み・例文・類語
ちん‐もく【沈黙】
1 だまりこむこと。口をきかないこと。「
2 音を出さないこと。物音もなく静かなこと。「深い夜の
3 活動をせずにじっとしていること。「長い
[補説]書名別項。→沈黙
[類語]黙る・黙りこくる・押し黙る・黙する・黙り込む・口を閉ざす・口を閉じる・口を結ぶ・口をつぐむ・口を塞ぐ・口を封じる・口が重い・おくびにも出さない・無言・黙黙・だんまり・
スウェーデン映画。1963年作品。翌年日本公開。脚本、監督イングマール・ベルイマン。彼の作品歴中では、これに先だつ『鏡の中にある如(ごと)く』(1961)、『冬の光』(1963)の二作とあわせて「神の沈黙・三部作」ともよばれている。ベルイマンの映画では、人間の精神的苦悩が神を見失った人間の苦悩として描かれることが多いが、この作品は、エステル(イングリッド・チューリン)とアンナ(グンネル・リンドブロム)という対照的な姉妹の確執と相克のうちに救済のない苦悩を直視している。演劇的ともいえる静謐(せいひつ)なスタイル、執拗(しつよう)なクローズアップ使用による女の感情の追求、ドア、窓、廊下といったデコールの緻密(ちみつ)な効用など、ベルイマンらしさを随所にみせる名作である。
[岡島尚志]
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
…《ソナタとインタールード》(1946‐48)が代表的である。40年代末よりしだいに音響と沈黙をそれ自体として聴くことに音楽の意義を見いだし,音響を独立させるために,偶然的に音響を並べる易(えき)にヒントを得た〈チャンス・オペレーションズ〉の方法を用いて《易の音楽Music of Changes》(1951)等を書く。沈黙の曲《4分33秒》(1952)もこの考え方から生まれたが,この期のケージの活動には,後のハプニング等の原型が含まれている。…
…続いて,シェーベルイ監督の《もだえ》(1944)のシナリオライターとしてデビューし,50年代半ばに《不良少女モニカ》《道化師の夜》(ともに1953),《夏の夜は三たび微笑む》(1955)などで世界を驚かせたイングマル・ベルイマンが,スウェーデン映画の〈神秘主義〉を一身に背負って今日に至っている。ギリシア神話のダフネスとクロエの物語を〈純潔な官能美〉で満たした北欧版(サドゥールの評)アルネ・マットソン監督《春の悶え》(1951)の大ヒット以来,スウェーデン映画はセックスのはんらん時代を迎えるが(その頂点がビルゴット・シェーマン監督《私は好奇心の強い女》(1967)であった),ベルイマンはそうした流行とはまったくかかわりなく,《沈黙》(1963)に見られるようなセックスと神,すなわち肉欲と信仰の葛藤をテーマに映画をつくり続け,60年代末には〈ベルイマンの神秘主義〉に反発してフランスのヌーベル・バーグの感覚を意識的に採り入れ,〈抒情性と社会性をミックスした〉映画をめざした新鋭監督ボ・ウィデルベルグ(《みじかくも美しく燃え》1967,《ジョー・ヒル》1971)などの登場が注目されたものの,やはり,その豊饒(ほうじよう)な創作活動と息の長いキャリアで〈スウェーデン映画の巨匠〉ベルイマンの位置は不動のままである。 なお,グレタ・ガルボを筆頭に,〈第二のガルボ〉といわれたイングリッド・バーグマン,アニタ・ビョルク,ビベカ・リンドフォース,ビビ・アンデルソンといったスウェーデン女優がハリウッドに〈輸入〉されたが,なかでもガルボとバーグマンはハリウッドの女優史の中核をなす重要な存在になった。…
…ハリウッド製のエンタテインメントとは極端に対照的なその深刻で難解な〈芸術性〉のゆえに,アメリカでは〈1960年代のアート・ハウスの巨匠〉というレッテルもはられている。1960年代には,〈神の沈黙〉三部作とよばれる《鏡の中にある如く》(1961),《冬の光》《沈黙》(ともに1963)を中心にしたベルイマン映画が世界のアート・シアター(アメリカではアート・ハウス)を独占するほどの流行になった。 牧師の子に生まれ,学生時代から演劇活動を始め,脚本家として映画界入り。…
※「沈黙」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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