精選版 日本国語大辞典 「案摩の面」の意味・読み・例文・類語
あま【案摩】 の 面(おもて)
- ① 舞楽の案摩の舞に用いる雑面(ぞうめん)という紙製の仮面。厚紙に目、鼻、口などを幾何学模様風に描いたもの。
- ② 矢羽根(やばね)の斑(ふ)の一種。鷲の白羽で、上に黒い山形、下に黒い鱗形の斑のあるもの。斑の模様が①のそれに似ているところからいう。あまのめ。
- [初出の実例]「河越太郎重頼〈略〉大きりふの征矢(そや)のうはやに、あまのをもてはぎたるをおひたりけり」(出典:長門本平家(13C前)一六)
- ③ 能楽に使う面。「尼の面」「天の面」などとも書く。
- [初出の実例]「又金春座には、〈略〉又尼〔天の字か〕の面一面あり。是は自レ天降(ふる)と云説あり。故に天(アマ)の面と名付也云々」(出典:わらんべ草(1660)一)