能のことで,能,狂言をはじめ,能の略式演奏法である素謡(すうたい),番囃子(ばんばやし),舞囃子,居囃子,仕舞(しまい),独吟など能舞台で行われるものの総称として用いられる。〈猿楽の能〉の能に,雅楽,舞楽などの楽を加えたものと思われ,江戸時代後期に,漢語志向の能役者の中から起こった名称らしい。文化・文政期(1804-30)に浅野栄足が能楽の語を用いている(《能楽余録》)。この語が一般化したのは1881年能楽社設立のときで,〈能楽社設立之手続〉には,〈前田斉泰ノ意見ニテ,猿楽ノ名称字面穏当ナラサルヲ以テ,能楽ト改称シ,因リテ能楽社ト名付ケ……云々〉とある。維新の動乱で衰退した能を援護し,興隆させようとする人々は,こぞってこの名称を用いた。なお,狭義には略式演奏法を除いた能のみを指す。また1902年池内信嘉によって発刊された雑誌に《能楽》があり,通巻235を数える。
→狂言 →能
執筆者:味方 健
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