能楽(読み)ノウガク

デジタル大辞泉 「能楽」の意味・読み・例文・類語

のう‐がく【能楽】

4のこと。明治以後に猿楽字面を嫌って使われた言い方。広義には狂言も含む。

のう‐らく【能楽】

のらりくらりと怠けて遊び暮らすこと。また、その人。のらくら。
「同じはたけの―連中」〈滑・続々膝栗毛・三〉

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精選版 日本国語大辞典 「能楽」の意味・読み・例文・類語

のう‐がく【能楽】

  1. 〘 名詞 〙 日本の芸能の一つ。南北朝時代から室町時代にかけて、雑芸であった猿楽から歌舞中心の楽劇が発達して「猿楽の能」と呼ばれ、足利義満の時、観阿彌、世阿彌らの出現によって芸能として完成した。謡をうたいながら、囃子(はやし)に合わせて演じるシテ(主役)中心の舞楽で、多くは仮面をつけ、きわめて様式化したもの。単に「能」とも称し、「能楽」の呼称は明治以後に用いられた。また、広義には、狂言を含めることもある。現在、観世宝生・金春・金剛喜多のシテ方五流のほかに、ワキ方三流(下懸宝生・高安・福王)、狂言方二流(大蔵・和泉)、囃子方一四流(笛方三流、小鼓方四流、大鼓方五流、太鼓方二流)がある。

のう‐らく【能楽】

  1. 〘 名詞 〙 のらりくらりとなまけ遊んで暮らすこと。また、その人。のらくら。
    1. [初出の実例]「きんじょのわかいものいろいろのうらくをすすむれども」(出典:黄表紙・運附太郎左衛門(1772))

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改訂新版 世界大百科事典 「能楽」の意味・わかりやすい解説

能楽 (のうがく)

能のことで,能,狂言をはじめ,能の略式演奏法である素謡(すうたい),番囃子(ばんばやし),舞囃子居囃子,仕舞(しまい),独吟など能舞台で行われるものの総称として用いられる。〈猿楽の能〉の能に,雅楽,舞楽などの楽を加えたものと思われ,江戸時代後期に,漢語志向の能役者の中から起こった名称らしい。文化・文政期(1804-30)に浅野栄足が能楽の語を用いている(《能楽余録》)。この語が一般化したのは1881年能楽社設立のときで,〈能楽社設立之手続〉には,〈前田斉泰ノ意見ニテ,猿楽ノ名称字面穏当ナラサルヲ以テ,能楽ト改称シ,因リテ能楽社ト名付ケ……云々〉とある。維新動乱で衰退した能を援護し,興隆させようとする人々は,こぞってこの名称を用いた。なお,狭義には略式演奏法を除いた能のみを指す。また1902年池内信嘉によって発刊された雑誌に《能楽》があり,通巻235を数える。
狂言 →
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「能楽」の意味・わかりやすい解説

能楽
のうがく

日本の古典芸能の一つ。能のこと、また能と狂言を一括して能楽ともいう。南北朝時代から、「猿楽(さるがく)(申楽)の能」または「能」とよばれていた。江戸末期にも能楽のことばが用いられた例もあるが、意識的に用いられたのは、1881年(明治14)能楽社設立に際して、「猿楽ノ名称字面穏当ナラザルヲ以(もっ)テ、能楽ト改称シ」たのが始まりである。それ以来、能楽という呼び方が一般化し、能楽堂、能楽師などの用語が用いられる。1957年(昭和32)に国の重要無形文化財となり、2008年(平成20)にはユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録された。

[増田正造]

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事典 日本の地域遺産 「能楽」の解説

能楽

無形文化遺産」指定の地域遺産(2008(平成20)年)。
能楽は、能と狂言の総称。能は14世紀頃に大成した、謡と囃子を伴奏に舞踊的な所作でストーリーが展開する歌舞劇。重要無形文化財(芸能)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「能楽」の意味・わかりやすい解説

能楽
のうがく

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事典・日本の観光資源 「能楽」の解説

能楽

(三重県名張市)
伊賀のたからもの100選」指定の観光名所。

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世界大百科事典(旧版)内の能楽の言及

【池内信嘉】より

…能楽研究家。愛媛県松山市出身。…

※「能楽」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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