桜屋跡(読み)さくらやあと

日本歴史地名大系 「桜屋跡」の解説

桜屋跡
さくらやあと

[現在地名]八幡西区田町二丁目

黒崎くろさき宿にあった旅籠屋。慶長年間(一五九六―一六一五)鳴水なるみず村に土着した古海彦左衛門(のち宇都宮に改姓)の弟仁兵衛が黒崎宿成立とともに旅籠業を始めたという。宇都宮氏は文政―天保期(一八一八―四四)頃には、宿庄屋・船庄屋などを勤めながら町で薩摩鹿児島藩・肥後熊本藩の御用達や肥前佐賀藩の定宿も担い、幕末には同平戸藩の御用達でもあった。屋号は初め薩摩屋といい、長崎屋とも称した。江戸時代最後の当主宇都宮(古海)与次兵衛正顕は勤皇の志が厚く、西郷隆盛・坂本龍馬などの志士たちや三条実美ら五卿を宿泊させた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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