化学辞典 第2版 「桜田法」の解説
桜田法
サクラダホウ
Sakurada's method
共重合反応における単量体反応性比を求める方法の一つ.一般に,2種類の単量体 M1,M2 からなる共重合反応では,その成長反応には次の4種類が考えられる.
ここで,
r1 = k11/k12,r2 = k22/k21
とおき,活性末端 M1*,M2* に対して定常状態を仮定すると次式が誘導される.
任意の組成の単量体混合物を共重合させて経時的に共重合体の組成分析を行うと,時間変化に伴う[M1]と[M2]の関係曲線が得られる.この曲線上の任意の点で接線を引けば,その傾きが
d[M1]/d[M2]
である.
とおいて式(A)を変形すると,
となる.したがって,
[M1]/[M2] - 1/k
を縦軸に,
[M1]/k[M2]
を横軸にプロットすれば,その直線の傾きが r1,切片が- r2 である.ファインマン-ロス法に比べてこの方法の利点は,1種類の単量体組成の解析ですむことである.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報