…【岩松 浅夫】
【東洋の瓦】
瓦作りの技術は,中国から朝鮮を経て,寺院建築とともに日本に伝えられた。瓦といえば,今日では一般に桟瓦(さんがわら)を連想するが,古くは丸瓦と平瓦を組み合わせて葺き上げていく方法,すなわち本瓦葺きが基本的な葺き方であった。日本では瓦作りが始まった当初から,丸瓦は重なりを考慮して一方を狭く作る行基葺き式のものと,重なりの部分に玉縁のつくものとが混在していた。…
…瓦屋根は,それ自体は,不燃性材料であるが,瓦の隙間から火の粉を呼び込み下地材が燃える可能性がある。この点では,昔のように葺き土を下地材としている瓦葺きのほうが防火性が高く,近年の,いわゆる桟瓦葺きで,下地が可燃性のものは望ましくない。 葺き土を使った瓦葺きの問題点は屋根の重量が重くなり,そのため小屋組みやそれを支持する柱,梁も太くしなければならず,結果的に費用が高くなることである。…
※「桟瓦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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