棒喝(読み)ぼうかつ

精選版 日本国語大辞典 「棒喝」の意味・読み・例文・類語

ぼう‐かつ【棒喝】

〘名〙 禅家の語。修行者を警醒するために、警策で打つこと。三十棒をくらわすこと。
空華日用工夫略集‐永徳二年(1382)一一月一〇日「前後両堂・書記・二蔵問答交馳、棒喝兼行、府君甚喜」

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世界大百科事典(旧版)内の棒喝の言及

【喝】より

…叱る意。中国の禅宗で,師が弟子を導くのに,経典の講義や説法のほか,日常の挨拶や対話を重視して,言葉で叱り,棒で打つなど,直接行為に訴えるのがそれで,徳山の棒,臨済の喝はもっとも有名だが,そうした喝と棒をあわせて棒喝といい,禅の特殊教育の語となる。大喝一声,一喝を与えるなど,必ずしも叱るのではなくて,いきなり相手の仏性を喚起する場合もあり,そうした種々の用例を,金剛王宝剣(仁王の刀),探竿影草(魚をさそう),踞地金毛(獅子のねらい),不作一喝(声をださぬ喝)という,四つに分類する。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」