日本大百科全書(ニッポニカ) 「森林保険」の意味・わかりやすい解説
森林保険
しんりんほけん
森林を保険の目的とする火災保険。民営の森林火災保険は、1920年(大正9)に始められ、自然林、人工林および立木竹、伐倒木竹を保険の目的とすることができ、火災のために焼失した場合に、その損害を填補(てんぽ)する火災保険追加約款として取り扱われる。国営のものは、37年(昭和12)から森林火災国営保険法に基づく森林火災保険が行われていたが、この保険は人工林の火災による損害のみを填補するものであった。同法は61年(昭和36)に改正され、名称も森林国営保険法となり、火災のほか気象上の災害(風害、水害、雪害、干害、凍害、潮害)による損害も填補する保険に改められ、さらに78年には噴火災も保険事故の対象として加えられた。この保険は、人工林に火災および気象災、噴火災が起こった場合に必要な再造林費を保障し、造林を育成・保護することを目的とするものである。なおこのほかに、全国森林組合連合会も火災、気象災、噴火災を対象とする森林災害共済事業を行っている。
[金子卓治]