凍結害ともいう。農作物などが受ける冬季の低温による凍結の被害をいう。霜害も低温と凍結による被害であるが,発生の時期によって区分される。凍霜害という語は学問的には霜害と同義であるが,農林水産省の作物被害統計では凍害と霜害を合わせている。凍害はシベリア高気圧の勢力が強い年に発生し,冬に農作物が栽培されない地方や積雪の多い地方を除けば,一般には寒冷な地方で被害が大きい。ムギ類,牧草類などは東北地方の太平洋岸や関東地方で,落葉果樹は北日本とくに北海道で,常緑果樹は栽培地全域で被害を受ける。低温による被害であるので,その機構は霜害と似ている。霜害に比べて危険期が長期にわたるので労力や経済性の面から,各種の防除法のなかでも被覆法が主体となる。被覆材には,こも,むしろ,わら,寒冷紗,落葉,土などが使用されてきた。また,進んだ形態での被覆としてはトンネルやハウスがあり,省力型の送風法も実用化されている。
農業災害以外に,水道管の凍結膨張による破裂,路面凍結による自動車のスリップ,鉄道のポイント障害などの凍害もある。
執筆者:久保 祐雄
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