長期間,異常に降雨がなかったり,少ないことによって発生する被害の総称。旱害とも記す。干ばつ(旱魃)もほぼ同義であるが,干ばつは暖候期の農作物の干害をさすことが多い。昔は主として農業災害のみを意味していたが,近年は農業災害の方は灌漑の発達のため少なくなりつつあり,むしろ都市の発展に伴った水力発電用水や飲料水の不足の方が主体となってきている。このため渇水災害といわれることも多い。これは人口の急増,都市化に伴って水資源の需要がせまい地域に集中するために大問題となってきた。暖候期には20日以上降水がなければ干害の発生することが多い。大河川では,水資源を各種の用途に適切に配分するようダム調節によって水の配分を総合的に行うために,水資源の統合管理が行われている。一方,地下水の保水能力の小さい島では干害は深刻なものとなり,海水が飲料水に多量に混じるため島民に高血圧症が増えるなど慢性被害も生じ,他の島から船や海中パイプで水を転送したり,海水淡水化をはかったりすることもある。農作物や果樹の場合には,完全に枯死しなくても,収量の低下や品質の低下をもたらす場合が多い。
執筆者:中島 暢太郎
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