干害(読み)カンガイ

デジタル大辞泉 「干害」の意味・読み・例文・類語

かん‐がい【干害/×旱害】

ひでりのために生じる農作物などの災害
[類語]災害災難災い被害禍害惨害惨禍災禍被災天変地異天災人災地変風害風水害冷害霜害雪害渇水旱魃水涸れ病虫害虫害煙害公害薬害災厄凶事禍根舌禍筆禍試練危難国難水難水禍海難受難遭難罹災貧乏くじ馬鹿を見る弱り目にたたり目泣き面に蜂

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精選版 日本国語大辞典 「干害」の意味・読み・例文・類語

かん‐がい【干害・旱害】

  1. 〘 名詞 〙 ひでり続きによって受ける農作物などの損害。《 季語・夏 》
    1. [初出の実例]「稲草は世に日照草と称し、些少の旱害は敢て感ぜざるのみならず」(出典:東京日日新聞‐明治二六年(1893)八月一五日)

干害の補助注記

「干害」は「旱害」の書き換え。

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改訂新版 世界大百科事典 「干害」の意味・わかりやすい解説

干害 (かんがい)
drought damage

長期間,異常に降雨がなかったり,少ないことによって発生する被害の総称。旱害とも記す。干ばつ(旱魃)もほぼ同義であるが,干ばつは暖候期の農作物の干害をさすことが多い。昔は主として農業災害のみを意味していたが,近年は農業災害の方は灌漑の発達のため少なくなりつつあり,むしろ都市の発展に伴った水力発電用水や飲料水の不足の方が主体となってきている。このため渇水災害といわれることも多い。これは人口の急増,都市化に伴って水資源の需要がせまい地域に集中するために大問題となってきた。暖候期には20日以上降水がなければ干害の発生することが多い。大河川では,水資源を各種の用途に適切に配分するようダム調節によって水の配分を総合的に行うために,水資源の統合管理が行われている。一方,地下水の保水能力の小さい島では干害は深刻なものとなり,海水が飲料水に多量に混じるため島民に高血圧症が増えるなど慢性被害も生じ,他の島から船や海中パイプで水を転送したり,海水淡水化をはかったりすることもある。農作物や果樹の場合には,完全に枯死しなくても,収量低下や品質の低下をもたらす場合が多い。
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百科事典マイペディア 「干害」の意味・わかりやすい解説

干害【かんがい】

広義には長期間降雨がないために,生活用水工業用水発電用水農業用水および土壌水分などが不足して起こる,生活上,工業上,農業上の害。普通は農業上の害に限定して用いられる。最も被害の大きいのは水稲で,特に5〜6月ころ20日以上降雨がないと干害を受ける。また砂質地や傾斜地畑作物も干害を受けやすい。農業上の干害は主として夏に起こり,冬に起こることは比較的まれである。→干ばつ
→関連項目気象災害畑地灌漑

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「干害」の意味・わかりやすい解説

干害
かんがい
drought damage

水不足による干魃によってもたらされる被害の総称。一般には農作物や森林の被害をいうが,上水道や工業用水の不足,発電能力の低下などによる生活上,産業上の被害も広義の干害に含められる。温帯においては蒸発散量の大きい夏に発生しやすい。日本では夏にかなりの日照りが続いても 6~7月の梅雨による降水量のため発生することは少ないが,それだけに梅雨期間中の降水量に支配されやすい。1939年の西日本の大干害をはじめその多くが梅雨期に雨の降らない,いわゆる空梅雨によることが多い。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「干害」の意味・わかりやすい解説

干害
かんがい

干魃

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