(読み)さお

普及版 字通 「棹」の読み・字形・画数・意味


12画

[字音] トウタウ)・タク
[字訓] さお・さおさす・かい

[字形] 形声
声符は卓(たく)。さおは、古くは櫂(とう)といった。棹はもと倚卓、机をいう字である。のち棹を舟を進める櫂(かい)の意に用いる。

[訓義]
1. さお、さおさす。
2. かい。
3. 机、身をよせる台。

[古辞書の訓]
和名抄〕棹 旁に在りて水を撥ねるを櫂と曰ふ。字は亦棹に作る。楊氏語抄に云ふ、加伊(かい) 〔名義抄〕棹 サヲ・カイ 〔立〕棹 サヲ・トドム・ウツ・カイ

[語系]
棹・櫂deは同声。形声字の義によっていえば、棹はしなるもの、櫂はひらひらと動くものの意がある。掉dydekは、それぞれその動詞形にあたる。*語彙は櫂字条参照。

[熟語]
棹謳棹歌棹子棹舟棹楫棹唱・棹棹声棹船・棹卒棹夫棹郎
[下接語]
一棹・逸棹・海棹・帰棹・急棹・撃棹・孤棹・舟棹・小棹・進棹・停棹・撥棹・晩棹・飛棹・風棹・揺棹・理棹

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【衣桁】より

…御衣懸は和語,衣架,衣桁はともに漢語である。平安時代の《類聚雑要抄(るいじゆうぞうようしよう)》によると鳥居形で下にこれを立てる台があり,横桁7尺(約210cm),柱高5尺1寸,台高3寸,棹(さお)は漆塗で,蒔絵のあるものは上等品で,棹の両端には金銅の飾金具がつく。実用として使われるほか,色彩の乏しい寝殿造の建物の中で,華やかな衣装を掛けた衣桁は室内装飾としての意味も大きかった。…

【三味線】より

…江戸時代に発達した楽器で,今日でも各方面で使われている。木製の四角な枠の両面に獣皮をはって胴とし,これを貫通する長い棹(さお)の表面に平行して3本の糸をはり,撥(ばち)または指で演奏する。糸の響きは駒によって胴に伝えられる。…

【鼓】より

…胴は中央部が細い。腰鼓の場合,胴の中央から両端に向かう曲面は内側にくぼみ,他の鼓の場合は中央に如孤(じよこ)または棹と呼ばれる部分があり,その両側に乳袋(ちぶくろ)(胴端に向かって外側にふくらんだ曲面の部分)がある。素材は木(おもに桜材)だが,正倉院には三彩釉の陶器の胴が残され,その大きさから二鼓に擬せられている。…

※「棹」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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