植村政勝(読み)うえむらまさかつ

精選版 日本国語大辞典 「植村政勝」の意味・読み・例文・類語

うえむら‐まさかつ【植村政勝】

  1. 江戸中期の本草学者。通称左平治。号新甫。阿部将翁に師事し、幕府御庭方、駒場薬園の預かり役、のち吹上添奉行格。主著「諸州採薬記」。元祿八~安永六年(一六九五‐一七七七

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

朝日日本歴史人物事典 「植村政勝」の解説

植村政勝

没年:安永6.1.8(1777.2.15)
生年元禄8(1695)
江戸中期の本草学者。通称は佐平次,号は新甫。和歌山藩領伊勢国飯高郡大津杉村(三重県松阪市)の郷士・植村政恭の子。宝永7(1710)年和歌山藩御庭方,享保1(1716)年江戸幕府将軍職となる徳川吉宗に随行し,江戸で奥御庭方となり庭の手入れと警固,情報収集の任に当たる。享保5年開設の幕府駒場薬園を監理。全国各地に隠密用務を兼ね採薬すること86回を超え,その記録を『諸州採薬記』として残した。同書は本草学者の採薬記と異なり民情の記事が多く興味深い。宝暦4(1754)年辞職し小普請役,明和1(1764)年隠居。本草の師は阿部将翁。<参考文献>松島博『本草家植村政勝と森野薬園の研究』,木村陽二郎『江戸期のナチュラリスト

(木村陽二郎)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「植村政勝」の解説

植村政勝 うえむら-まさかつ

1695-1777 江戸時代中期の本草家。
元禄(げんろく)8年生まれ。紀伊(きい)和歌山藩御庭方。8代将軍となった藩主徳川吉宗にしたがい江戸にうつり,享保(きょうほう)5年開設された駒場薬園園監となる。以後全国の薬草を調査した。安永6年1月8日死去。83歳。伊勢(いせ)(三重県)出身。通称は左平次。号は新甫。著作に「諸州採薬記」「諸州奇蹟談」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android