楠元村(読み)くすもとむら

日本歴史地名大系 「楠元村」の解説

楠元村
くすもとむら

[現在地名]川内市楠元町

樋脇ひわきなか村の北西にあり、南西平佐ひらさ天辰あまだつ村、西はとう白浜しらはま村、北はほぼ西流する川内川を隔てて斧淵おのぶち(現東郷町)。東方で樋脇川が川内川に合流する。村名は楠本とも記される。中世には入来いりき院のうちで、建長二年(一二五〇)一二月日の薩摩入来院内村々田地年貢等注文(入来院文書)に「くすもとひさくゝち二」とある。同所は田二五町四反三〇、うち四町は柏島かしわじま(現樋脇町)に入り、残る田二一町四反三〇のうち皆損三〇中・「かんちしはかり」二反・荒一町六反三〇・佃二反・雑色免三反・寺田六反四〇中、残る田一八町三反一〇中のうちは損田九町四〇中・得田九町三反四〇中とある。永仁六年(一二九八)七月二〇日の異国要害石築地配分状案(同文書)では一丈二尺四分の石築地築造を賦課され、ただし三分の一は除かれて清色きよしき(現入来町)塔之原とうのはら倉野くらの(現樋脇町)、中村の四ヵ所に配分された。徳治三年(一三〇八)一月の平氏女連署和与状(岡元文書)によれば、和与の結果下村殿跡御公事配分として楠本免田本公役米三斗五合五勺のうち三升五勺一才が清敷御分とされた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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