鹿児島県北西部、薩摩郡(さつまぐん)にあった旧町名(入来町(ちょう))。現在は薩摩川内(せんだい)市の南東部を占める一地区。1948年(昭和23)町制施行。2004年(平成16)川内市、樋脇(ひわき)町、東郷(とうごう)町、祁答院(けどういん)町、里(さと)村、上甑(かみこしき)村、下甑(しもこしき)村、鹿島(かしま)村と合併、薩摩川内市となる。旧町域は、川内川支流の入来川流域にあり、東に藺牟田(いむた)池、南に八重山(やえやま)の火山がある。旧国鉄宮之城(みやのじょう)線はバスに転換。国道328号が通じる。名称は律令(りつりょう)時代の倉院の名が地名化したもの。中世、地頭職となった渋谷氏が清色城(きよしきじょう)を本拠に勢力をもち、入来院氏と称した。その後、島津氏に屈服したが、所領は安堵(あんど)され明治維新に至った。エール大学教授の歴史学者朝河貫一(あさかわかんいち)の発掘した著名な「入来院文書」は、入来院氏の残したもので、封建制研究の基礎史料として貴重である。基幹産業は農業で、米、茶、ミカンなどを生産し、キンカンは特産。ブロイラー、肉牛などの畜産も盛んである。八重山山麓(さんろく)には鹿児島大学農学部付属入来牧場があり、ウシが大規模放牧される。また、同牧場内には国立天文台の電波望遠鏡が設置されており、共同研究も行われている。清色城跡は、国の史跡。入来麓(ふもと)重要伝統的建造物群保存地区は、中世から近世の武家屋敷町の景観を残している。入来温泉と諏訪(すわ)温泉がある。
[平岡昭利]
『『入来町誌』上下(1964、1978・入来町)』
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