入来院(読み)いりきいん

百科事典マイペディアの解説

入来院【いりきいん】

薩摩国薩摩郡の中世の地域名。辺境の開発拠点である倉(そういん)の名が,所領単位名になったとみられている。現鹿児島県薩摩川内市入来町一帯。平安末期の田数92町余,うち75町は半不輸の島津荘近衛家領)寄郡(よりごおり)であった。土着の本領主は伴氏で,当院弁済使(べんざいし)を勤めた。鎌倉時代になると東国武士千葉氏渋谷氏地頭として入部,伴氏の支配は次第に圧迫されていった。渋谷氏は13世紀末までに一族の大半が入来院に移住,惣領制的な同族結合をもって院内各村に庶家が割拠,惣領家は入来院氏を称して国人領主に成長した。
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世界大百科事典 第2版の解説

いりきいん【入来院】

薩摩国薩摩郡(現,鹿児島県薩摩郡)内にあった所領名。院の一般的なあり方からみて,平安時代に薩摩郡の辺境の開発が行われたさい,その拠点となった院倉の名が,所領の発展に伴い所領名に転化したものと考えられる。入来院は平安末期には摂関家の荘園島津荘の寄郡(よせごおり)となって,収納物の一部が荘園領主摂関家に納められることになったが,1197年(建久8)の薩摩国大田文によれば,その面積は全体で92町2反,そのうち寄郡となった面積は75町であった。

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