日本大百科全書(ニッポニカ) 「業平菱」の意味・わかりやすい解説 業平菱なりひらびし 三重襷(みえだすき)模様のこと。業平格子ともいう。公家(くげ)の直衣(のうし)にこの模様を用いるところから、王朝時代の公達(きんだち)のうちで、代表的な人物である在原業平の名をとって「業平菱」「業平格子」の俗称が近世生まれたものらしい。『守貞漫稿(もりさだまんこう)』に「とりたすき今俗に業平菱といふ」とあり、三重襷の図を掲げているが、これは、同じ有職(ゆうそく)模様の鳥襷と、三重襷の名称を編者が取り違えたことから生じた誤りであろう。[村元雄] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例