デジタル大辞泉 「公達」の意味・読み・例文・類語 きん‐だち【▽公▽達/▽君▽達】 《「きみたち」の音変化》1 親王・諸王など、皇族の人々。2 摂関家・清華家せいがけなどの子弟・子女。3 (代名詞的に用いて)あなたさま方。また、あなたさま。「―こそめざましくも思しめさめ」〈源・藤袴〉 こう‐たつ【公達】 政府や官庁からの通達。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「公達」の意味・読み・例文・類語 きん‐だち【公達・君達】 〘 名詞 〙 ( 「きみたち」の変化した語 )① 親王、諸王など皇族の人々。[初出の実例]「歴試(つた)ひて王宗(キムタチ)の中(みなか)に接りて、功名(いたはり)を立つ可き哲主(さかしきみ)を求む」(出典:日本書紀(720)皇極三年正月(岩崎本訓))② 親王、摂家、清華(せいが)など上流貴族の子弟、子息。女子についていうこともある。[初出の実例]「あたりを離れぬ君たち夜をあかし日を暮す多かり」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))「殿よりはじめ奉りて、きんたち、四位・五位どもたちさわぎて」(出典:紫式部日記(1010頃か)寛弘五年九月一〇日)③ ( 代名詞的に用いて ) あなた方。あなたさま。[初出の実例]「北面だつかたに召し入れてきむたちこそめざましくも思しめさめ、しもづかへなどやうの人々とだにうち語らはばや」(出典:源氏物語(1001‐14頃)藤袴)④ 公卿(くぎょう)の家の者。また、公卿出身の僧侶。[初出の実例]「若被二修治一御力難レ及者、早被レ啓二太政殿并次々君達一、可レ被二修復一者也」(出典:廬山寺文書‐天祿三年(972)五月三日・天台座主良源遺告)⑤ 一般に身分の高い者の子女。[初出の実例]「入道殿の公達の御中に、ことさら愛子にてましましけり」(出典:保元物語(1220頃か)上) こう‐たつ【公達】 〘 名詞 〙 政府や官庁などが言い渡すこと。また、そのもの。おおやけからの通達。[初出の実例]「今般第六拾壱号公達の趣有之に付ては」(出典:内務省達乙第五二号‐明治一三年(1880)一二月一七日) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例