鳥襷(読み)トリダスキ

デジタル大辞泉 「鳥襷」の意味・読み・例文・類語

とり‐だすき【鳥×襷】

あやや浮き織物の織り文様の一。花菱はなびし中心に、図案化された尾長鳥が2羽ずつ相対し、輪違いに連なっている文様。指貫さしぬき屏風びょうぶの裏などに用いられる。

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精選版 日本国語大辞典 「鳥襷」の意味・読み・例文・類語

とり‐だすき【鳥襷】

  1. 鳥襷
    鳥襷
  2. 〘 名詞 〙 尾長鳥を唐花のまわりに配して、輪違(わちがえ)とした総文様の名。織文様や染文様があり、公卿若年者指貫などに用い、近世屏風の裏貼りの紙の文様に多く用いられた。
    1. [初出の実例]「とりたすきを、うき織物におりたるかきの御衣を召して」(出典:とはずがたり(14C前)五)

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世界大百科事典(旧版)内の鳥襷の言及

【ヒシ(菱)】より

…おもに連続文として菱繫(ひしつな)ぎや,斜線を基本として文様化した襷文(たすきもん)として用いられる。中国唐朝で好まれた実在しない花を菱形にデザインした唐花菱,有職文(ゆうそくもん)の一つで4から20の花菱で一つの大きな菱を構成する幸菱(さいわいびし),おもに織物などの地文に用いられ菱文が隣接して並ぶ繁菱(しげびし),間隔をおいて並ぶ遠菱(とおびし),菱を4等分した割菱で甲斐武田氏が用いた武田菱(たけだびし),菱形の中に順次小さな菱を入れてゆく入子菱(いれこびし),小さい菱形をたすき状に並べた菱襷(ひしだすき),鳥文(とりもん)をたすき状に並べ間に唐花(からはな)を置いた鳥襷(とりだすき)などがある。中世の密教寺院の内陣・外陣の間仕切りには菱格子が多く用いられ,また青森,秋田地方のこぎん,菱刺しは菱繫ぎ文様に特色がある。…

※「鳥襷」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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