岩石学辞典 「榴輝岩相」の解説
榴輝岩相
榴輝岩はアウイによって,パイロープとオンファサイト(ヘデンベルジャイト+翡翠(ひすい)輝石)の組合せの岩石に付けられたもので,火成岩とも変成岩とも考えられたことがある[Hauy : 1822].玄武岩と同様の化学組成を有する塩基性岩石で,一般にパイロープ成分に富む石榴石と翡翠(ひすい)輝石成分に富む単斜輝石の組合せとなる.エスコラ自体も白粒岩との区別がはっきりせず,多くの榴輝岩を白粒岩相に含めている.藍閃石の産出する地域に榴輝岩が出るので藍閃石片岩相に入るものもあり,化学組成の差とする考え方もある.本来の榴輝岩相は白粒岩相よりも低温で,藍閃石片岩相よりも高温の高圧相であると考えられる.榴輝岩のできる条件は白粒岩相と藍閃石片岩相の両方にまたがっているので,榴輝岩相の形成条件では石英長石質の岩石は熔融する可能性が大きい.