日本大百科全書(ニッポニカ) 「樹木園」の意味・わかりやすい解説
樹木園
じゅもくえん
おもに木本性植物を集めて栽培する植物園をいう。とくに規模の大きいものとしてはアメリカにあるミズーリ植物園付属の樹木園、ハーバード大学所属のアーノルド樹木園などがあげられる。アーノルド樹木園は1872年に創設され、約6500種もの世界の樹木が100ヘクタールの敷地に栽植されている。アーノルド樹木園は、このほかに研究室、標本室、図書室なども完備しているし、季刊刊行物の出版も行っている。
日本の樹木園は歴史的にも新しく、規模もアメリカなどの樹木園には及ばない。日本の樹木園の多くは第二次世界大戦後に開設されたもので、これらは研究目的のためにのみ樹木を栽植するというのではなく、多くは身近な自然のなかでのレクリエーションの場として社会教育に利用され、親しまれている。戦後のおもな樹木園としては、神戸市森林植物園、橿原(かしはら)森林遊苑(奈良県橿原市)、大分市樹木園、鑑物台(けんもつだい)樹木園(熊本市中央区)などがある。
[杉山明子]